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- 大型犬の服従訓練とコマンド用語集【英語/ドイツ語/フランス語/チェコ語/オランダ語】
【オビディエンストレーニングとは】
Q:オビディエンス(Obedience)トレーニング(Training)とは?
A:解説:服従訓練の意
大型犬を迎えたら、飼い主と愛犬の二人三脚でのトレーニングがスタートします。
大型犬との日々を豊かにそして安全なものとするために、服従訓練はかかせません。
服従訓練に用いられるコマンドは大別して、標準コマンド・高度なコマンド・コミュニケーションコマンド・アジリティーコマンド(トリック)や専門訓練コマンドなどがあります。その中でも【標準コマンド】は徹底的にマスターしましょう。標準コマンドのスワレ・フセ・ツイテ・マテ・コイ・ハウスなどのコマンドはその動作が出来るようになることだけが目的ではありません。信頼関係を築くことができるコマンドでもあるため、出来るようになっても毎日続けましょう。
大型犬の成長期には飼い主の忍耐が試されます。
ですが、トレーニングの本当の楽しみ(真髄)はその先にあります。
愛犬の成長を楽しみながら、トレーニングに励みましょう。
▼標準コマンドをマスターすると、
どの様なシーンで役立つのか動画で確認しましょう。
【コマンドを教えるための8のヒント】
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1:コマンドは1音節または2音節のわかりやすいフレーズに。
一貫して毎回同じコマンド(声符)を使用してください。混同したり変更したりしないでください。また、家族全員が同じコマンドを使用していることを確認してください。
2:トレーニング時間は1セットわずか5-10分。
トレーニングセッションは短くしてください。1回セットに必要な時間はわずか5〜10分です。一日に5-10セット行いましょう。ワンちゃんの興味がなくなるまでトレーニングを行わないようにしましょう。
3:トレーニングは成功して終わり。
ワンちゃんが上手にコマンドをこなせたタイミングでトレーニングを終了すれば、ワンちゃんははるかに簡単にコマンドを身につけるでしょう。
4:コマンドの連呼はNG。
一度コマンドを命じたら待ってください。コマンドを何度も繰り返すことは、ワンちゃんがすぐにあなたに従う必要はないと認識させてしまいます。
5:すぐに報酬(褒める)。
あなたのワンちゃんがコマンドに従ったらすぐに報酬を与えましょう。すぐに褒めるという行動はワンちゃんが何かを正しく行なったことをわかりやすく認識させます。
6:報酬(褒める)パターンを増やしてください。
おやつ、言葉での賞賛、ボールやバイトタグを用いた身体的な遊びでの報酬、肩や脇腹をなでたりポンポンとたたいたりなどのボディータッチを組み合わせて褒めましょう。
そうすることで、あなたのワンちゃんが喜ぶ好みの報酬があることに気付くはずです。
7:新しいコマンドに進まないでください。
取り組んでいるコマンドを習得するまで、新しいコマンドに進まないでください。
8:ワンちゃんの気が散らない場所で。
犬の集中力を高めるため、トレーニングを行う場所はテレビなどの音を消し、おもちゃも片付け、集中力の途切れる対象がないところで行いましょう。
■Basic Dog Commands
標準コマンド
名前を認識させる(Name recognition):
ワンちゃん自身にワンちゃんの名前を認識させることはとても重要です。ワンちゃんがあなたをみているときにワンちゃんの名前を言いましょう。名前を呼んだら報酬を与え、名前を呼び、ワンちゃんが毎回あなたを見るまで、1日に数回の短いセッションをしてください。出来るようになったら名前を呼びワンちゃんの目線をおやつであなたの目に向けアイコンタクトを教えましょう。
見て(Look or watch me/ルック):
このコマンドには「私(飼い主)に注目して!」という意味が込められています。ワンちゃんの注意を引いて保つことは今後のトレーニングにおいて重要な最初のステップです。ワンちゃんのそばに気を散らすものがあるときにも、このコマンドは大いに役立つでしょう。
座れ(Sit/スィット):
このコマンドはワンちゃんの興奮を和らげるのに役立ちます。座らせることで落ち着かせたり、人に飛びつくことも制御できます。お散歩へ出かける前にも落ち着いてリードのひもをつけることも可能になります。食事の時間にも落ち着いて用意することも、安全に車に乗せることもできます。
待て(Stay/ステイ):
このコマンドは「動かないで、ジッとしていて」の意味を持ちます。その場からあなたが少し離れる場合にも役立ちます。
待て(Wait/ウェイト):
ステイと似ていますが、ウエイトは「準備を整えるからちょっと待って」といった意味を持ちます。あなたが何らかの準備を整える前にワンちゃんが勝手に行動を起こすことを防ぐのに役立ちます。準備が整ったら、あなたはワンちゃんに次のコマンドを命じる必要があります。
伏せ(Down or lie down/ダウン):
「座れ」のコマンドに似ており、このコマンドはワンちゃんの興奮を和らげるのに役立ちます。伏せをさせることで落ち着かせたり、人に飛びつくことも制御できます。ロールオーバーやクロールなど、より高度なトリックの基盤でもあります。
来い(Come/カム):
呼び戻しは服従コマンドの基本的な命令です。あなたのワンちゃんが不意にリードから外れたり、道路に飛び出したり、あなたから離れすぎたり、他の人に飛びつくのを防ぐために重要です。このコマンドでワンちゃんを呼び戻した場合には怒ったりなどの「罰」を与えてはいけません。「来い、と命じられあなたの元へ戻ったのに怒られた」という誤った認識を避けるためです。
立て(Stand/スタンド):
あなたの命令でワンちゃんを立たせることはグルーミングや動物病院での検査などに役立ちます。
ツイテ・アトヘ(Heel/ヒール) :
このコマンドはあなたとワンちゃんの散歩をより快適にします。日本語では「ついて」とも言われます。ワンちゃんがあなたの左側について歩きペースを保つことを意味します。それはあなたのワンちゃんがリードを引っ張るのを防ぐことができます。このコマンドが確実ではない場合、飼い主はワンちゃんとのお散歩にイライラしてしまうでしょう。とても重要なコマンドです。
そのまま(Leave it/リーブイット):
これは散歩中に拾い食いや危険なもの(誘惑物)、他の犬に興味を持つことを防ぐコマンドです。または、あなたの大事な物を噛むことを防ぐのにも役立ちます。
誘惑物に対して、「そのままにしておきなさい(放っておきなさい)」という意味を持ちます。このコマンドはワンちゃんが「誘惑物を諦めた」瞬間に報酬を与えることで習得させます。
例:拾い食いの場合、ワンちゃんが地面に落ちているおやつから目線をそらした瞬間に褒めておやつを与えます。
落とせ(Drop/ドロップ):
これは 'リーブイット'に似ていて、ワンちゃんが拾った物を手放すことを教えるコマンドです。日本語では「出せ」や「ちょうだい」でも応用できます。大型犬が一旦口に咥えたものを吐き出すという行為は相手が上位であることを示す行為です。
ワンちゃんとの関係性をより確かなものにするために教えると良いコマンドです。
余裕があればフェッチやキャッチのような拾うコマンドと共に教えると良いでしょう。
オフ(Off):
これは、ワンちゃんの飛びつきをコントロールするためのコマンドです。大型犬の不意な飛びつきは思わぬ怪我を招く原因となります。
このコマンドを教えることでワンちゃんにコマンドで指示したときだけ飛びつくようになり、指示しないときは飛びつかないようになります。また、人や犬に不意に飛びついてしまった時も、OFF(オフ)というコマンドで飛びつきをやめさせることが出来ます。
良し(Okay/オーケー):
このコマンドは直前のコマンドからワンちゃんを解放するのに役立ちます。
ワンちゃんに「待て」または「止まれ」などのように命じたならば、「Okay」でワンちゃんが再び動くことができることを許可します。ワンちゃんをトレーニングセッションから解放するためにも使用できます。
褒める(Good/YES!):
コマンドを上手に出来たときに褒めるコマンドです。
同時におやつやおもちゃを与えると、より簡単にワンちゃんは「褒められた」という認識を持つでしょう。
いけない(No/ノー):
これはワンちゃんの不要な動作を防ぐために使用されます。
ワンちゃんに対し、今していることを直ちに止めるように伝えることができます。
待機(Place/プレイス):
待機場所に一時的に待機してもらうためのコマンドです。一貫性を保つために待機場所は毎回同じマットやクッションを使いましょう。
ハウス(Kennel/ケンネル):
このコマンドはワンちゃんにハウスに入ってもらうためのコマンドです。
フリー時間以外はハウスでゆっくり休んでもらうことができます。
ハウスは別名「クレート」とも呼びます。
ハウスのことを「バリケン」とも言いますが、バリケンとは正式には「Vari kennel」と言い犬用クレートの商品名です。
Eliminate on command(排泄):
これは「トイレをしなさい」というコマンドです。決められた時間・場所で確実に排泄させたい場合にとても役立ちます。「ワン・ツー」や「チーチーチー」など擬音コマンドを用いると良いでしょう。
【参考】
大型犬の月齢/訓練別リードガイド>
▼標準コマンドがどの様に使われるのか
動画で再確認しましょう。
■Advanced Dog Commands
高度なコマンド
Muzzle/マズル:
口輪を自ら進んで装着するように教えるコマンドです。
「口輪=噛む犬」と思われがちですが、実際はそうではありません。大型犬の場合は特に、公共の場を歩くときや動物病院での待合室、緊急時の避難場所での周りへの配慮として装着する飼い主も多くおられます。その際、このコマンドはとても役に立ちます。
Speak/スピーク:
このコマンドには「吠えて!」という意味が込められています。
ワンちゃんに吠えるように命じるコマンドです。
Quiet/クワイエット:
このコマンドには「静かにして」という意味が込められています。
ワンちゃんの「吠え」を抑制するのに役立ちます。 スピークとは対象的に明るい音で静かに命じると効果的です。
Take it/テイクイット:
ワンちゃんがあなたの手から物やおやつをやさしく取るように教えるコマンドです。噛む力の強い大型犬に「噛む力を制御する」ことを教えることができます。「ドロップ・イット」と相性が良いです。
Fetch/フェッチ:
「取ってきて!」という意味を持ち、ワンちゃんに物を拾うように命じるコマンドです。あなたが投げたものを追いかけて、拾って、持ち帰るように命じます。
Catch/キャッチ:
これは教えるのが簡単なトリックで、あなたが投げたものを「落とさないでキャッチして」という意味が込められています。フリスビーのようなゲームにも適しています。
Put away/プットアウェイ:
これは「おもちゃをバスケットに片付けて」を命じるコマンドです。正式には「Put it in the Basket Lesson」とも言います。まずは「Take it」そして「Drop it」を教える必要があります。一貫性を保つために、片付け用のバスケットは家の同じ場所に置いてください。
Find it/ファインドイット:
隠れた物を「見つけて」と命じるコマンドです。
麻薬犬の訓練や嗅覚を用いた作業やゲームに最適です。
HOP/ホップ:
対象物に「登れ」を命じるコマンドです。
Bring/ブリング:
「持ってきて」というコマンドです。
Touch/タッチ:
ワンちゃんに鼻で何かに触れるように教えます。または対象物に触ったり乗ったりするように教えることもできます。明かりをつけたりドアを閉めたりするような、トリックコマンドにも応用できます。
Hold/ホールド:
ワンちゃんに口で物をくわえて保つように教えるコマンドです。
Turn left/ターンレフト:
左回転コマンドは、ゲームや敏捷性が問われるトレーニングに役立ちます。
Turn right/ターンライト:
右回転コマンドは、ゲームや敏捷性が問われるトレーニングに役立ちます。
Back or walk backward/バック:
「一歩後ろに下がって」という意味が込められています。
▼高度なコマンドや以下のコマンド
(コミュニケーションコマンド)がどの様に使われるのか動画で確認しましょう。
■Communication Dog Tricks
コミュニケーション・コマンド
Shake/シェイク:
「お手」のコマンドです。
High-five/ハイファイブ:
「ハイタッチ」のコマンドです。
Bow/ボウ
「お辞儀」のコマンドです。
Roll over/ロールオーバー:
「伏せた状態から一回転」のコマンドです。
Sit pretty/スィットプリティ:
「ちょうだい」または「ちんちん」のコマンドです。
Play dead/プレイデッド:
「死んだフリ」のコマンドです。
Spin/スピン:
「その場で一回転」のコマンドです。
Crawl/クロール:
「ほふく前進」のコマンドです。
「伏せ」からの応用コマンドです。
Kiss/キス:
「キス」のコマンドです。
Hug/ハグ:
「ハグ」のコマンドです。スィットプリティからの応用コマンドです。
Shake yourself/シェイクユアセルフ:
水を振り払うように教えるコマンドです。
Weave through legs/ウィーヴスルーレグ
あなたの脚の間を8の字を描くように歩かせるコマンドです。
Jump up/飛び上がる:
正確には「Jump Up Into Your Arms」と言い、あなたの腕の中に飛び込むように教えるコマンドです。トリックのフィニッシュにも利用できるコマンドです。
Jump over/飛び越える:
障害物(バーなど)を飛び越えるように教えるコマンドです。
Jump through a hoop/ジャンプスルーアフープ:
輪っかの中を飛び越えるように教えるコマンドです。
Jump rope:ジャンプロープ
縄跳びを命じるコマンドです。
Handstand/ハンドスタンド:
逆上がりのコマンドです。
Tuck yourself in bed:
ワンちゃんに自ら毛布にくるまるようにするためのコマンドです。
伏せの状態から毛布の端を咥えさせてロールオーバーさせることで毛布にくるまるように教えます。
Yawn/ヨーン:
「あくび=口を大きく開かせる」ためのコマンドです。
Limping/リンピング:
「足を引きずるように歩かせる」ためのコマンドです。
映画のワンシーンで怪我を負ったワンちゃんの演技の一つによく用いられます。
Moonwalk/ムーンウォーク:
ほふく前進の後退バージョンです。
ほふく前進(crawl)の姿勢から、後ろに下がって(back)でムーンウォークの完成です。
Ring a bell/リングアベル:
「ベルを鳴らす」ためのコマンドです。玄関やトイレエリアの入り口にベルを設置して、「トイレにいきたいときにベルを鳴らせば、そのドアが開く」と教えることもできます。
Count/カウント:
スピークの応用コマンドです。指定した回数ワンちゃんに吠えるように命じるコマンドです。
Backflip/バックフリップ:
キャッチの応用です。 ジャンプして右回転しながらボールやディスクをキャッチする技です。左回転はフロントフリップと言います。
Catch a frisbee in the air/キャッチアフリスビーインザエアー
フリスビーを空中キャッチする技です。
▼警察犬(防衛訓練)コマンド用語集
【英語/ドイツ語/フランス語/チェコ語/オランダ語】
▼防衛片袖やムチ、テントなどを用いた
警察犬・防衛犬コマンド(競技風景)を動画で確認しましょう。